「ショートカットキーを覚える」という行為は、人生における無駄な時間の上位に入ると私は確信しています。
Ctrl + Shift + Alt + 謎のキー。指がつりそうな体勢でコマンドを入力し、間違えて別のウィンドウを閉じてしまった時の絶望感。あなたも経験があるはずです。
私も長らく、15キーの通常版Stream Deckを使っていました。「これで十分だ」と自分に言い聞かせて。しかし、欲求は止まりません。もっと多くのアプリを、もっと多くのマクロを、フォルダ階層を潜ることなく「一撃」で発動させたい。
その欲望に従い、32キーの怪物「Stream Deck XL」をデスクに迎えた瞬間、私のワークスペースは単なる机から「コックピット」へと進化しました。

なぜ、私たちは「キー不足」に喘ぐのか
作業効率を突き詰めると、必然的に操作の手数は増えます。
動画編集ソフト、画像加工ツール、Slack、Zoom、そして照明やエアコンの操作。これらを行き来するたびに、私たちの脳は「えっと、あのショートカットは…」と微細なコンテキストスイッチを繰り返しています。
この「0.5秒の迷い」が、1日で数百回積み重なる。これが夕方の謎の疲労感の正体です。
特に15キー版を使っていた頃は、頻繁に使う機能以外は「フォルダ」の中に格納していました。しかし、フォルダを開くという「ワンアクション」が挟まるだけで、人間は使うのが億劫になるものです。
32個の「物理ボタン」がもたらす視覚的快感
Stream Deck XLの真価は、その圧倒的な「一覧性」にあります。
32個のLCDキーがズラリと並ぶ様は壮観です。私はここに、Adobe系ソフトのツール、頻繁に開くWebサイト、定型文のペースト、そして部屋の照明コントロールを「すべて第1階層」に配置しました。
もう、フォルダを掘る必要はありません。やりたいと思った瞬間、目の前にあるアイコンを押すだけ。
- 脳のメモリを解放する
アイコンが見えているので、ショートカットを記憶する必要がありません。脳の容量をクリエイティブな思考だけに集中できます。 - ミスオペレーションの消滅
複雑なキー操作がないため、押し間違いが物理的に起こり得ません。
このデバイスは、単なる「左手デバイス」ではありません。PC操作という抽象的な作業に、「ボタンを押す」という確かな触覚とフィードバックを与える、一種の楽器のような存在です。
以下の動画でも、この「物理的な操作感」と「効率化の極致」が語られています。私が感じた全能感と全く同じ興奮がここにあります。
動画投稿者の熱量からも分かる通り、これは一度味わうと後戻りできない沼です。
部屋の「空気」すら支配する
私がこのデバイスを愛してやまないもう一つの理由は、IFTTTやスマートホーム連携による「空間制御」です。
「集中モード」というボタンを一つ作りました。これを押すと、以下のマクロが一斉に走ります。
- Slackの通知が停止する。
- 部屋の照明が寒色系の集中モードに切り替わる。
- Spotifyでお気に入りのLo-Fiプレイリストが再生される。
- ポモドーロタイマーが起動する。
たった一押しで、私の精神状態ごと「仕事モード」へ強制的に切り替える。これはもはや、魔法の杖と言っても過言ではありません。PCの中だけでなく、リアルな生活空間までハックする。これが「ライフスタイルテック」の真髄です。
「高い」ではない。「時間」を買うのだ
実売価格で3万円台後半。キーボードやマウスよりも高価なデバイスに躊躇する気持ちは痛いほど分かります。
しかし、計算してみてください。ショートカットを探す迷いや、ウィンドウ切り替えのストレスで、1日10分のロスをしているとします。1ヶ月で5時間。1年で60時間です。
あなたの時給がいくらかは分かりませんが、Stream Deck XLは間違いなく、半年もしないうちに元を取ります。そして浮いた時間は、さらなる創造や休息に充てられるのです。
迷っているなら、今すぐポチるべきです。32個のキーが点灯した瞬間、あなたは自分のデスクの真の支配者となります。
本日のまとめ
効率化とは、サボることではありません。本来やるべきことに全力を注ぐための準備です。
- 記憶からの解放
ショートカットを覚える努力を捨て、アイコンを見て押すだけの直感的操作へ移行できます。 - 32キーの暴力的な一覧性
フォルダ階層を排除し、必要な全機能をワンタップ圏内に配置できるのはXLだけの特権です。 - 環境そのものの制御
アプリだけでなく、照明や空調まで含めた「作業環境」を一瞬でセットアップできます。

