ソニーのG Masterレンズ。それは、αユーザーにとって一つの「到達点」であり、同時に「高嶺の花」でもあります。特に「大三元」と呼ばれるF2.8通しの標準ズームは、多くのフォトグラファーが憧れるレンズではないでしょうか。
何を隠そう、私もその一人でした。キットレンズを卒業し、単焦点レンズのボケ味に感動し、そして次にF4のズームレンズを手に入れました。しかし、心のどこかで常に「F2.8のG Masterがあれば…」という思いが消えませんでした。
しかし、立ちはだかるのは約30万円という「価格の壁」です。旧型の中古はどうか。あるいは、高性能で安価なサードパーティ製(シグマなど)で妥協すべきか。私は文字通り、何か月も悩み抜きました。
そして悩んだ末に、私はこの「FE 24-70mm F2.8 GM II (SEL2470GM2)」を手に入れる決断をしました。今日は、なぜ私が価格の壁を乗り越えてまでこのレンズを選んだのか、そして、その結果私の撮影体験がどう変わったのか、私のリアルな「経験」を共有したいと思います。

かつての私が抱えていた「標準ズームのジレンマ」
私がSEL2470GM2を手にする前、感じていたジレンマは大きく二つありました。
一つは「画質と利便性」のトレードオフです。単焦点レンズの圧倒的な描写力とボケ味は知っている。しかし、旅先や限られた時間での撮影では、レンズ交換の手間がシャッターチャンスを逃す原因になります。だから標準ズームが欲しい。でも、標準ズームで単焦点レベルの画質を求めるのは贅沢だ、と自分に言い聞かせていました。
もう一つは「性能と重さ」のジレンマです。F2.8通しのズームレンズは、高性能な分、大きく重いのが当たり前でした。特に旧型のGMレンズ(第一世代)は、その重さから「持ち出すのが億劫になる」という声をよく耳にしました。私も実際に店頭で触り、「これを一日中持ち歩くのは厳しい」と感じた一人です。
「最高の画質」と「最高の携帯性」。この二つを両立させるのは不可能だ。そう思っていました。このSEL2470GM2に出会うまでは。
SEL2470GM2が「別次元」と断言できる3つの理由
私がこのレンズを手にして、まず驚いたのはその「軽さ」です。
1. 革命的な「軽さ」と「コンパクトさ」
旧型のGMレンズが約886gだったのに対し、このGM IIはわずか約695g。約20%も軽量化されています。数字だけ見ると「たかが200g弱」と思うかもしれません。しかし、この差は決定的です。
α7シリーズのボディと組み合わせた時のバランスが完璧なのです。これまで感じていた「フロントヘビー(レンズが重くて前に傾く感じ)」が劇的に改善され、まるでF4ズームを持っているかのような錯覚に陥ります。この軽さのおかげで、私は撮影に集中できるようになり、一日中持ち歩いても疲れにくくなりました。これは「撮影体験の質」を根本から変える、最大の進化点です。
2. 異次元のオートフォーカス(AF)性能
私は最新のα7 IVと組み合わせていますが、このレンズのAF速度と精度は異次元です。XDリニアモーターを4基も搭載している恩恵は絶大で、ピントが「スッ…」と音もなく一瞬で合います。
特に動画撮影での恩恵は計り知れません。ピントが動く際の画角変動(ブリージング)が極限まで抑えられており、AFでピントを移動させても、まるでプロがフォーカスを操作したかのような滑らかな映像が撮れます。もう、シビアなピント合わせに神経をすり減らす必要はありません。
3. 妥協のない「G Master画質」
そして、G Masterの称号は伊達ではありません。ズーム全域、絞り開放のF2.8から、画面の隅々まで解像します。それでいて、ボケ味は非常に滑らかで美しい。
よく「ズームレンズは単焦点に劣る」と言われますが、このレンズの描写力は、並の単焦点レンズを凌駕しています。これ一本あれば、広大な風景から、背景を美しくぼかしたポートレートまで、あらゆるシーンで「最高品質」の画を約束してくれます。この絶対的な信頼感が、撮影時の迷いを消してくれます。
なぜシグマや旧型ではなく、「GM II」でなければならなかったのか
私が購入を検討していた時、最大のライバルはシグマの「24-70mm F2.8 DG DN Art」でした。シグマはGM IIの半額近い価格で、非常に高い描写力を持っています。正直、最後まで悩みました。
それでも私がGM IIを選んだ理由は、「純正」であることの絶対的な信頼感と、前述した「軽さ」です。
サードパーティ製レンズは、将来のカメラボディのアップデートでAF性能が100%発揮される保証がありません。しかし純正レンズなら、その心配は皆無です。ソニーが持つ技術のすべてが、このレンズとボディの連携のために注ぎ込まれています。この「安心感」は、特に仕事で使う上で何物にも代えがたい価値があります。
そして「軽さ」。シグマのレンズも高性能ですが、重さは約830g。旧型のGMレンズとほぼ同じです。私が標準ズームに感じていた最大のネックは「重さ」でした。その根本的な問題を解決してくれたのは、このGM IIだけだったのです。
このレンズは「機材」ではなく「体験」への投資
約30万円という価格は、確かに大きな決断を必要とします。しかし、私がこのレンズを手に入れて確信したこと。それは、これは「機材」への支出ではなく、「撮影体験」への投資だということです。
- 重さから解放され、純粋に撮影を楽しむ「体験」
- どんな場面でも最高の画が撮れるという「安心感」
- もうレンズ選びで悩まなくていいという「時間の節約」
これらすべてを、このレンズは私に与えてくれました。もしあなたが、かつての私のように「価格」で悩み、最高のレンズを諦めようとしているなら、一度、本気でこのレンズを検討してほしい。これはあなたの写真ライフを、間違いなく次のステージへと引き上げてくれるはずです。
本日のまとめ
FE 24-70mm F2.8 GM II (SEL2470GM2)は、確かに高価なレンズです。しかし、それは「最高の撮影体験」を手に入れるための、最も確実な投資だと私は断言します。
- 旧型から劇的に進化し、他を圧倒する「軽さ」と「コンパクトさ」。
- 最新のαボディの性能を限界まで引き出す、高速かつ静粛なAF性能。
- ズーム全域で妥協のない、G Masterならではの息をのむ描写力と美しいボケ。
- もうレンズ選びで悩まなくなるという、精神的な「安心感」と「満足感」。

