私はREALFORCE R3のTKL(テンキーレス)モデルを愛用しています。あの「スコスコ」という独特の打鍵感と、デスクスペースを圧迫しないコンパクトさが、文章作成の集中力を高めてくれるからです。
しかし、唯一の悩みは月末の「Excel作業」でした。TKLキーボードの上部に並んだ数字キーで大量のデータを打ち込むのは、はっきり言って苦行です。かといって、この非効率な作業のためだけに、愛用のTKLを手放してフルサイズキーボードに戻る気にはなれません。
そんなジレンマを抱える「TKL愛用者」にこそ、私が「投資」と呼ぶこの選択肢、REALFORCE RT1 テンキーボードの価値が伝わると信じています。

なぜ「テンキーだけ」に1万円を払うのか?
「たかがテンキーボードに1万円?」
多くの人がそう感じるはずです。私も最初はそうでした。市場には数千円のテンキーがあふれています。しかし、私がREALFORCE RT1を選んだのは、それが「安いキーボード」では決して解決できない、TKL愛用者特有の悩みを解決する唯一の答えだったからです。
私が抱えていた問題は、単に「数字が打ちにくい」ことではありませんでした。本当の問題は、TKLキーボードがくれる「思考の没入感」が、Excelを開いた瞬間に数字キーの打ちにくさによって「中断される」ことだったのです。
安いテンキーを試したこともあります。しかし、メインのR3とは全く異なる安っぽい打鍵感が、指先に違和感を与え、結局は集中力を削ぐ結果になりました。
私がREALFORCE RT1を選んだ3つの理由
私が数ある選択肢の中から、高価なRT1(ブラック・45g)を選んだ理由は3つあります。
1.打鍵感の完全な統一
これが最大の理由です。RT1は、メインのR3と全く同じ静電容量無接点方式を採用しています。メインキーボードからテンキーへ指を移した瞬間、そこにあるのが「いつものREALFORCE」であること。このシームレスな体験こそが、思考を中断させないために不可欠でした。
2.必要な時だけ配置できる「分離式」の合理性
普段の文章作成時は、RT1をデスクの脇に置いておき、TKLで広々と作業します。そしてExcel作業が始まる時だけ、RT1を左手側(あるいはマウスの奥)に配置する。この「分離式」こそ、TKLのコンパクトさとフルサイズの効率を両立する、最も合理的な答えでした。
3.信頼の「45g」荷重
RT1には30gモデルもありますが、私は迷わず45gを選びました。データ入力は、文章作成と違って「一文字のミス」が致命傷になります。45gのしっかりとした荷重は、指先に「今、キーを確実に押した」という明確なフィードバックを返してくれます。この確実性が、入力ミスを劇的に減らしてくれました。
45g荷重がもたらす「確実な打鍵」という快感
実際にRT1を導入して、会計ソフトのデータ入力を始めた時の感覚は衝撃的でした。
45gのキーに指を乗せると、適度な抵抗感とともに「スコッ」と静かに底まで沈み込みます。指がキーに吸い込まれるような、あのREALFORCE特有の感覚です。重要なのは、この確実なフィードバックが、数字入力における「確信」に変わることです。
「7」を押したつもりが「8」に入力されていた、といったミスタッチが本当に減りました。この「スコスコ感」がどれほど心地よく、効率的か、言葉で説明するより聞いてもらうのが一番です。
この確実な打鍵音と感触が、それまで「苦行」だった数字入力を、リズミカルな「快感」に変えてくれたのです。
数字入力は「作業」から「投資」へ
REALFORCE RT1は、単なる「テンキーボード」という物ではありません。これは、TKLキーボード愛用者が、その快適さを一切犠牲にすることなく、数字入力の効率だけを最大化するための「業務効率化ツール」への投資です。
もしあなたが私と同じように、TKLの快適さを愛しつつ、数字入力の非効率さに悩んでいるなら、この「本物」の打鍵感がもたらす価値を体験するべきです。デスクの上が、かつてないほど合理的で、集中できる空間に変わります。
本日のまとめ
TKLキーボードの快適さと、数字入力の効率。この二つを妥協せずに両立させたいプロフェッショナルにとって、REALFORCE RT1は唯一無二の答えだと感じています。
- TKLキーボード愛用者の「思考の没入感」を中断させない、メイン機と統一された打鍵感。
- 45gの荷重がもたらす「確実なフィードバック」が、データ入力のミスを劇的に削減する。
- 必要な時だけ配置できる分離式は、デスク環境の合理性を極限まで高める。
- 数千円のテンキーでは決して得られない、「時間」と「集中力」への投資である。

