DaVinci Resolve Speed Editor レビュー:編集が「作業」から「創造」に変わった体験談

DaVinci Resolve Speed Editor レビュー:編集が「作業」から「創造」に変わった体験談

動画編集の「カット作業」に、どれだけの時間を費やしていますか? 私にとって、それは最も時間のかかる「作業」であり、同時に最もストレスの溜まる工程でした。タイムラインを拡大し、再生ヘッドを移動させ、カットし、また縮小して全体を見る……。このマウスとキーボードショートカットの往復が、私の思考のリズムを何度も断ち切っていたのです。そんな悩みを抱えていた私が、Blackmagic Designの「DaVinci Resolve Speed Editor」を手にして、文字通り世界が変わりました。

これは単なる機材レビューではありません。私が長年感じていた編集作業のストレスから解放され、編集が「作業」から「創造」へと変わった、その具体的な体験談です。

目次

マウス操作の「カクつき」が、私の思考を止めていた

私はDaVinci Resolve Studioをメインの編集ソフトとして使っています。その多機能性とパワーには満足していましたが、編集作業、特にラフカットの段階には常に小さな苛立ちがありました。

  • マウスホイールでのタイムライン拡大・縮小の微妙な調整の難しさ。
  • 長い素材を行き来する際の、再生ヘッドのドラッグ操作。
  • 「J(逆再生)」「K(停止)」「L(再生)」のショートカットキーと、マウス操作の間で手が往復する煩わしさ。

これらは一つひとつは些細なことです。しかし、集中力が乗ってきた瞬間に、この「操作の遅延」や「手の移動」が発生すると、一気に思考が現実(PCの操作)に引き戻されます。クリエイティブな流れが、そこで止まってしまうのです。「もっと直感的に、思考の速度でタイムラインを操れたら……」そう感じていました。

編集が「作業」から「直感」へ。Speed Editorという名の「思考同期デバイス」

正直に言うと、最初はSpeed Editorを少し見くびっていました。「専用キーボードなんて、ショートカットキーで十分ではないか」と。しかし、その考えは製品に触れた瞬間に完全に覆されました。

このデバイスの心臓部は、間違いなく金属製の大きなジョグダイヤルです。

私が驚いたのは、その「感触」と「反応速度」でした。重すぎず、軽すぎない絶妙なトルクで回り、指の動きにタイムラインが吸い付いてきます。これまでマウスで「カクカク」と移動させていた再生ヘッドが、このダイヤルを使うと「ヌルヌル」と、まるでアナログのテープ編集機を操っているかのように滑らかに動きます。

さらに、左手はジョグダイヤルに置いたまま、右手(あるいは左手の指)で「CUT」「TRIM IN」「TRIM OUT」「SLIP」といったカット編集に必要な全ての操作が完結します。

  • ダイヤルを回してカット点を探る。
  • 「TRIM IN」を押してイン点を打つ。
  • ダイヤルを回して次のカット点へ。
  • 「TRIM OUT」を押してアウト点を打つ。

この一連の流れが、視線をタイムラインから一切そらさず、マウスに一度も触れることなく完了するのです。これは「効率化」という言葉では足りません。「体験の変革」そのものでした。

この直感的な操作感、特にジョグダイヤルの滑らかさがもたらす思考との一体感は、言葉で説明するよりも実際の動きを見てもらった方が早いと思います。以下の動画は、まさに私が体験した「思考が止まらない編集」の感覚を見事に捉えています。

この動画のレビュワーの方が「ダイヤルが本当に秀逸」と語っている通り、Speed Editorの価値の9割はこのジョグダイヤルにあると言っても過言ではありません。私の体験した「やみつきになる」感覚が、この動画で具体的に伝わるはずです。

カット編集の時間が半分以下になった現実

導入後、私の編集フローは劇的に変わりました。

以前は1時間の素材をラフカットするのに、素材確認も含めて1時間以上かかっていました。しかしSpeed Editorを導入してからは、ジョグダイヤルで素材全体を高速(時には2倍速や4倍速)で「撫でる」ように確認し、必要な部分だけを直感的に切り出していくことで、30分もかからずに終わるようになりました。

これは単に時間が短縮されただけではありません。最も重要な変化は、編集の「質」が上がったことです。

操作のストレスが消えたことで、私は「どこで切るか」「どのテイクの表情がベストか」といった、本来集中すべきクリエイティブな判断だけに脳のリソースを割けるようになりました。

Studio版も手に入る。これは「機材」ではなく「時間」への投資

私が購入したモデルは、DaVinci Resolveのフル機能版である「Studio版(アクティベーションカード)」がセットになったものです。当時、Studio版だけでも数万円の価値があったため、実質的にSpeed Editor本体は非常に安価に手に入った計算になります。(※注:現在はこのバンドルが常時提供されているか、ご確認ください)

もしあなたが今、DaVinci Resolveの無料版を使っていて、Studio版へのアップグレードと編集効率化を同時に考えているなら、これ以上の選択肢はありません。

Speed Editorは「機材」ではありません。これは、あなたが本来費やすべきだった「創造のための時間」を生み出し、マウス操作のストレスから「思考を解放」するための、最も確実な「投資」です。

本日のまとめ

DaVinci Resolve Speed Editorは、私の動画編集を「苦痛な作業」から「直感的な創造」へと変えてくれた、まさにゲームチェンジャーでした。

  • マウス操作によるタイムラインの拡大・縮小・移動のストレスから完全に解放された。
  • 秀逸なジョグダイヤルにより、思考の速度でタイムラインを操る直感的な操作が現実になった。
  • カット編集の時間が半分以下に短縮され、クリエイティブな判断に集中できるようになった。
  • DaVinci Resolve Studio版へのアップグレードも兼ねられるため、コストパフォーマンスが非常に高い。

もしあなたが私と同じように、編集中の「思考の停止」に悩んでいるなら、この「思考同期デバイス」を強くお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Speed EditorはCutページでしか使えないのですか?

メインはCutページでの使用が想定されていますが、Edit(エディット)ページでもジョグダイヤルや一部のキーは機能します。ただし、その真価を最も発揮するのはCutページでの爆速カット編集です。

キーボードのショートカットを覚える方が早いのでは?

私も最初はそう思っていました。しかし、Speed Editorは「ショートカットの集合体」ではありません。ジョグダイヤルと専用キーの組み合わせがもたらす「思考を止めない操作感」は、キーボードショートカットとは全く異なる体験です。

DaVinci Resolve Studio版は本当に必要ですか?

無料版でもDaVinci Resolveは非常に強力です。しかし、Studio版でしか使えない高度なノイズリダクション、AI機能(Magic Maskなど)、そしてGPUアクセラレーションの強化は、編集の質と速度をさらに一段階引き上げます。Speed Editorとのセットは、その両方を手に入れる絶好の機会です。

DaVinci Resolve Speed Editor レビュー:編集が「作業」から「創造」に変わった体験談

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この記事を書いたひと

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