「痩せたね」と言われても、素直に喜べない自分がいました。体重計の数字は確かに3kg減っている。けれど、鏡に映る私のお腹周りは、相変わらずだらしないまま。なぜなのか。その答えを知るのが怖くて、私はずっと安物の体重計でお茶を濁していたのです。しかし、ある日「体脂肪率」や「骨格筋率」を部位別に測れるこの黒い相棒、オムロンKRD-703Tを手に入れた瞬間、私のダイエットは「暗闇での手探り」から「データに基づく科学」へと劇的に進化しました。

2000円の体重計が隠していた「不都合な真実」
これまで私が使っていたのは、乗れば数字が出るだけのシンプルなガラス製の体重計でした。朝起きて乗り、昨日より200g減っていれば「よっしゃ!」とガッツポーズをし、増えていれば「水分のせいだ」と言い訳をする。そんな一喜一憂を繰り返していました。
しかし、現実は残酷です。体重が減っていたのは、実は「脂肪」ではなく、落としてはいけない「筋肉」だったのです。この衝撃的な事実を突きつけられたのは、KRD-703Tのハンドルを握りしめ、8つのセンサーが私の体に電流を走らせた、あの最初の測定の時でした。
「体重:-3kg」の喜びを、「骨格筋率:低下」「体脂肪率:微増」というデータがいとも簡単に打ち砕きました。私は痩せていたのではなく、ただ「やつれて」いただけだったのです。この気づきこそが、本当の意味でのボディメイクのスタートラインでした。
両手両足測定が暴く「部位別」の現実
KRD-703Tが他の体組成計と決定的に違うのは、ジムに置いてあるような「ハンドル」が付いている点です。一般的な足だけで測るタイプは、下半身の水分量に数値が左右されやすいと言われています。しかし、この機種は両手両足の電極から全身に微弱な電気を流すため、測定の精度が段違いです。
私が特に打ちのめされた(そして後に感謝することになる)機能が、「部位別測定」です。「全身」「体幹」「両腕」「両足」それぞれの皮下脂肪率と骨格筋率が、容赦なく数値化されます。
私のデータは、「足の筋肉は標準以上」なのに、「体幹(お腹周り)の皮下脂肪」だけが異常に高いことを示していました。つまり、ランニング(足)は足りているが、腹筋運動や食事管理(体幹)が圧倒的に不足しているという、ぐうの音も出ない分析結果です。漠然と「運動不足かな」と悩む時間は終わり、ピンポイントで「お腹の脂肪を狙い撃つ」という明確な戦術が立ちました。
この動画の冒頭で紹介されている開封からセットアップの様子を見てください。私が箱を開け、この「黒い審判」と対面した時の高揚感と緊張感が、きっと伝わるはずです。
OMRON connectが「継続」を「快感」に変える
測定自体がどれほど高機能でも、記録が面倒なら続きません。過去に私は、体重を手帳にメモしようとして3日で挫折した経験があります。しかし、KRD-703Tは違いました。
測定後、スマホアプリ「OMRON connect」を開いて画面を下にスワイプするだけ。わずか数秒でデータが転送され、美しいグラフとして保存されます。このプロセスに、「面倒くさい」が入り込む隙間はありません。
私が最も気に入っているのは、グラフの「骨格筋率」が右肩上がりになった時です。たとえ体重が変わらなくても、筋肉量が増えていればグラフは「成果」として私を称えてくれます。「体重」という単一の指標から解放され、「体の中身が変わっていく」過程を可視化できること。これこそが、モチベーションを枯渇させない唯一の方法でした。
自己投資としての「1万5千円」
確かに、数千円で買える体重計と比べれば、KRD-703Tは高価です。しかし、ジムの会費1ヶ月分と変わらない金額で、自宅に専属のトレーナーを常駐させられると考えれば、これほど安い投資はありません。
自分の体を正確に知ることは、健康への最短ルートです。不正確な地図を持って山に登るのが危険なように、自分の体の「現在地」を知らずにダイエットをするのは時間の無駄でしかありません。この黒いマシンは、私に「正しい努力の方向」を教えてくれました。
本日のまとめ
KRD-703Tは、単なる計測器ではなく、生活習慣を変えるための強力なパートナーです。
- 体重の増減に惑わされない
- 「脂肪」と「筋肉」のどちらが変化したかを正確に把握できます。
- 部位別データで弱点克服
- 「お腹だけ脂肪が多い」といった具体的な課題が見えるため、効率的なトレーニングが可能です。
- スマホ連携で手間ゼロ
- 面倒な記録作業から解放され、グラフを見るのが毎日の楽しみになります。
もしあなたが、頑張っているのに結果が出ないと嘆いているなら、まずは現実を「正しく」見ることから始めてください。その勇気が、理想の体への第一歩です。

