「そろそろ、本気でミラーレスに乗り換えるべきか…。」長年連れ添った愛機の一眼レフを握りしめながら、私は何度この言葉を繰り返したかわかりません。静止画の表現力には満足していましたが、仕事でもプライベートでも動画の比重は増すばかり。しかし、「動画に強いカメラは静止画が…」「静止画重視なら動画が…」そんなジレンマに陥り、膨大な選択肢の前で完全に足が止まっていました。中途半端な投資だけはしたくない。そんな私が最後の賭けとして手にしたのが、このCanon EOS R6 Mark IIです。結論から言えば、この一台が私の悩みをすべて過去のものにしてくれました。
なぜ私は「万能機」という言葉を信じられなかったか
写真家として、そして一人の映像クリエイターとして、私が機材に求めるものは常に「専門性」でした。静止画なら静止画、動画なら動画に特化した機材こそが最高の結果をもたらす。そう信じていました。市場に溢れる「静止画も動画も撮れる」という謳い文句のカメラは、どこか妥協の産物のように見えていたのです。
特に、ミラーレスカメラへの移行には大きな壁を感じていました。
- AF性能への不安
一眼レフの光学ファインダーで被写体を捉える感覚に慣れ親しんだ身として、電子ビューファインダー(EVF)とミラーレスのAFが、本当に信頼できるのか?特に、予測不能な動きをする子供や動物を撮るシーンで、決定的な瞬間を逃してしまうのではないか。 - 動画機能の複雑さ
Log撮影や4K、フレームレート…。本格的な動画機能は魅力的である一方、その複雑な設定や専門用語が、静止画メインだった私にとっては高いハードルに感じられました。 - バッテリーと操作性
一眼レフのタフさと直感的な操作性に比べ、ミラーレスはどこか華奢で、バッテリーの持ちも悪いイメージがありました。撮影に集中したいのに、機材の制約に気を取られるのは本末転倒です。
これらの不安が、「まだ一眼レフで戦える」という言い訳となり、私の足を重くしていたのです。
EOS R6 Mark IIがすべての不安を「確信」に変えた3つの理由
そんな私の迷いを吹き飛ばしてくれたのが、EOS R6 Mark IIでした。このカメラは「万能」でありながら、その一つ一つの機能が「専門機」レベルにまで研ぎ澄まされていたのです。実際に使ってみて、特に感動したのは以下の3つのポイントです。
1.異次元のオートフォーカス(AF)性能
撮れないものはないまず度肝を抜かれたのが、被写体検出AFの圧倒的な精度と速度です。ディープラーニング技術を活用したAFは、人物の瞳はもちろん、動物(犬、猫、鳥、馬)や乗り物(車、バイク、鉄道、飛行機)まで自動で検出・追尾し続けます。先日、息子の運動会で使った時のこと。ゴールに向かって全力で走る息子の表情を、ファインダーの中でただ構図に集中して追いかけるだけ。ピントのことは完全にカメラに任せているのに、撮れた写真を見返すと、息子の瞳に吸い付くようにピントが合った写真が何十枚も量産されていました。これは、一眼レフでは到底不可能だった体験です。もはや「ピントを合わせる」という作業から解放され、「何をどう撮るか」という本質的なクリエイティビティに没頭できるのです。
2.妥協なき動画性能
映像表現が、もっと自由になるEOS R6 Mark IIは、6Kセンサーの情報を余すことなく使って高精細な4K映像を生成する「6Kオーバーサンプリング」に対応しています。これにより、驚くほど解像感が高く、ノイズの少ないクリアな映像が手に入ります。特に感動したのは、暗所での撮影性能。照明のない夜の公園で撮影した映像でも、黒が潰れずにしっかりと階調が残り、まるで映画のワンシーンのようなしっとりとした空気感を捉えることができました。さらに、30分以上の連続撮影が可能になった点も、私にとっては大きな決め手でした。イベントやインタビューの撮影で「30分の壁」を気にする必要がなくなり、撮影の自由度が格段に上がりました。
3.体に馴染む操作性
キヤノンだからこその信頼感高性能を詰め込みながらも、グリップは深く握りやすく、長年キヤノンの一眼レフを使ってきた私にとって、ボタン配置は驚くほど直感的でした。静止画と動画の切り替えも専用レバーで一瞬。撮りたいと思った瞬間に、迷うことなく最適な設定で撮影に臨めます。この「体に馴染む」感覚こそ、いざという時に信頼できる道具の絶対条件だと私は考えています。
もちろん、完璧なカメラではありません。約2420万画素という画素数は、より高画素なモデルと比較するとトリミング耐性では一歩譲ります。しかし、その分データサイズが扱いやすく、高感度性能とのバランスは絶妙です。この「ちょうど良さ」こそが、静止画と動画を両立させる上での最適解なのだと、今では確信しています。
写真が「記録」から「作品」へ。動画が「思い出」から「物語」へ。
EOS R6 Mark IIを手にしてから、私の撮影スタイルは大きく変わりました。以前は「今日は写真を撮る日」「今日は動画を撮る日」と、どこか線引きをしていました。しかし今では、その境界線が完全に溶けてなくなりました。
美しい夕焼けを写真に収めた後、そのまま動画モードに切り替えて、風に揺れる木々や鳥のさえずりを映像として記録する。子供の誕生日に、最高の笑顔を写真で切り取りながら、その場の空気感や声を動画で紡いでいく。
このカメラは、静止画と動画という二つの表現方法をシームレスに行き来させてくれる、まさに「クリエイティブのハブ」です。撮れるものの幅が広がっただけでなく、一つの事象をより多角的、かつ深く捉えられるようになったのです。
今、このカメラに投資することは、未来の「表現力」に投資すること
もしあなたが、かつての私のように静止画と動画の狭間で迷っているのなら、あるいは、今使っているカメラの性能に限界を感じているのなら、EOS R6 Mark IIは最高の答えをくれるはずです。
これは単なる機材のアップグレードではありません。あなたの表現の幅を広げ、これまで撮れないと諦めていた瞬間を捉えることを可能にする、「未来の自分」への自己投資です。この一台があれば、あなたのクリエイティビティは、間違いなく次のステージへと加速するでしょう。
本日のまとめ
Canon EOS R6 Mark IIは、静止画と動画の両方で妥協したくないクリエイターにとって、まさに理想の一台です。
- 異次元のAF性能
ディープラーニングを活用した被写体検出AFで、ピント合わせから解放され、構図や瞬間に集中できる。 - プロレベルの動画品質
6Kオーバーサンプリングによる高精細4K映像と、優れた暗所性能で、あらゆるシーンを美しく描き出す。 - 長時間の連続撮影
30分の壁を超え、イベントや長回しの撮影にも安心して臨める。 - 直感的な操作性
従来のキヤノンユーザーなら迷うことなく扱え、静止画と動画の切り替えもスムーズ。 - 絶妙なバランス
約2420万画素という画素数は、高感度性能とデータハンドリングのしやすさを両立した、ハイブリッド撮影における最適解。

